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ヘマトキシリン液の酸化剤と染色性

染色

Q

ヘマトキシリン液はなぜ組織を染めることができるのですか?

A

ヘマトキシリン自身は無色~淡黄色の色素であり、染色性はありませんが、これを酸化してヘマテインにすることにより可視部に吸収をもつ色素となります。ヘマテインは媒染剤の金属イオンと錯体を形成し、レーキを生成します。このレーキが細胞核のリン酸基等と結合することにより染色されます。
ヘマトキシリン液の酸化剤の量は、特に厳密な管理が必要であり、その過不足は染色性に大きく影響します。不足すると酸化によるヘマテイン生成量が十分でなく、過剰になるとヘマテインがさらに酸化され、オキシヘマテインが生成されます。オキシヘマテインは可視部の吸収がなく、染色性もありません。

ヘマトキシリン液のpHは染色の選択性(進行性、退行性)や色調の変化と密接に関係していますので、調製時は十分な注意が必要です。
ヘマトキシリン液による染色については、当Webサイト『標本道場』等に詳しい情報を掲載していますので、こちらもご参照ください。