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加温と脱水剤の浸透速度

ティシュープロセッシング

Q

脱水過程において、加温することによりどのような効果がありますか?

A

脱水剤はエタノールを使用し、液温は20℃、30℃、40℃、60℃における浸透速度の測定結果を示します※1(グラフ)。 組織内部とその周囲のエタノール中の水分濃度が平衡に達する時間は、下記条件において、20℃では約3.5時間、30℃では約2時間、40℃では1.5~2時間です。60℃では40℃と同程度であることが判ります。従って、30℃~40℃に加温することは薬液の浸透を促進する上で非常に大きな効果があります。しかし、更に温度を上げてもそれ以上の浸透促進は期待できません。

組織処理条件と浸透速度測定方法
1) 使用組織
臓器の種類:ウシ 肝臓
組織の大きさ:(厚さ)3mm×(縦)20mm×(横)25mm
組織の重量:約1.3g/個
2) 基本的組織処理条件
脱水:エタノール、撹拌(120rpm)、 常圧
ティシュー・テックユニカセット使用
3) 脱水速度の測定方法
重量測定

参考文献:※1岩垂司,北條昭次:組織の脱水条件の検討(その1).第24回組織技術研究会記録.1982,22-32