第12回サクラ病理技術賞 受賞者 (2019年度)
サクラ病理技術賞
羽賀 千恵
横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 検査部
受賞理由
「老人斑」と「神経原線維変化」の新しい染色法
受賞者コメント
この度、サクラ病理技術賞を受賞いたしまして、身に余る光栄です。推薦をいただきました先生方、ならび本賞の審査員の先生方に心より感謝申し上げます。長い年月、中枢神経組織病理標本作製に携わってきた中で、老化性病変の特異的染色法としてメセナミン銀法の開発やガリアス染色法の改良などをしてまいりました。今日、剖検脳病理においても、分子生物学的解析、遺伝子診断などが行われ、神経変性疾患では異常蛋白蓄積が病態の中核であることが明らかになりつつあります。その過程で病理標本の免疫組織化学染色が重要な役割を果たしてきました。病理組織診断の重要性は益々増しています。今後も、病理診断や研究に寄与できるように努力し、あわせて、若い方々への技術の伝承も進めてゆきたいと考えております。
松本 慎二
福岡大学病院 病理部・病理診断科
受賞理由
FISH法および免疫組織化学における悪性中皮腫を中心とした診断技術の確立・診断精度向上の研究と全国への普及活動、および後進技師の指導育成と学生教育
受賞者コメント
この度は栄誉あるサクラ病理技術賞を賜り、身に余る光栄に存じます。これもひとえに推薦ならびに選考を賜りました先生方、日本臨床細胞学会および細胞検査士会、中皮腫細胞診研究会の皆様、そして日々支えて戴いた上司と同僚のスタッフのご指導・ご協力あってこその受賞であります。この場をお借りして深謝申し上げます。私は、悪性中皮腫を中心に病理組織・細胞診断に今や不可欠となったFISH法および免疫染色、またこれらを用いた形態学的解析手法についての検討を重ねて参りました。この度の受賞を糧に、更なる研究を重ね病理診断の精度向上に寄与できますよう一層精進して参ります。今後とも御指導賜りますよう宜しくお願い申し上げます。