お知らせ
検体処理中に発生した停電の対策について
電力不足に備えた計画停電ならびに諸事情による停電に備え、密閉式自動固定包埋装置の処理中に発生した停電の、復帰方法について皆様へお知らせいたします。
■検体処理中に発生した停電の対策について
1.密閉式自動固定包埋装置(VIP・ETPなど)にUPS(無停電電源装置)が接続されている場合
・装置は検体保護動作を取り、レトルトに薬液を満たした状態で待機します。
停電復帰後に、処理プログラムを継続し、処理を再開します。
*但し、度々停電が合った場合、UPSのバッテリーが低下し、十分な検体保護動作を終えることが出来ない場合がありますので、ご留意をお願いいたします。
・装置はパラフィン槽の温度低下を検出し、パラフィン溶融に十分な時間を溶融待機時間として、スタンバイの状態で保持します。
スタンバイ状態の時間は、レトルト温度の低下度合いに応じてコントロールされます。
*この間、パラフィン槽に関する操作を行うことは出来ません。
パラフィン溶融待機時間が経過すると、装置は自動的に検体処理を続行します。
この場合、終了予定時刻は「停電時間+パラフィン溶融待機時間」の分だけ遅くなります。
・目視でパラフィンの溶融を確認し、マニュアルで即運転を行う方法(「スタンバイ状態の解除」)については、取扱操作説明書をご覧いただくか、下記フリーダイヤルまでお問合せください。
2.密閉式自動固定包埋装置(VIP/ETPなど)にUPSの接続がない場合
・装置は、停電時の状態で処理を停止します。
・アルコール系列並びにキシレン系列で停電となった場合
停電復帰後に、パラフィン槽の前まで処理が進行します。
*停電が短時間に頻発すると、停電復帰後に処理が正常に再開できず処理が中断する場合があります。処理が正常に再開できなかった場合の対処方法は、「VIP6及びVIP6AI検体処理中に発生した停電の対策について」を参照してください。
⇒ VIP6/VIP6AI 検体処理中に発⽣した停電の対策について
・装置はパラフィン槽の温度低下を検出し、パラフィン溶融に十分な時間を溶融待機時間として、スタンバイの状態で保持します。
*この間、パラフィン槽に関する操作を行うことは出来ません。
パラフィン溶融待機時間が経過すると、装置は自動的に検体処理を続行します。
この場合、終了予定時刻は「停電時間+パラフィン溶融待機時間」の分だけ遅くなります。
・目視で溶融状態を確認したうえで、スタンバイ状態を解除する方法は取扱操作説明書をご覧いただくか、下記フリーダイヤルまでお問合せください。
*もし、アルコール系列並びにキシレン系列でレトルト内に薬液が不足した状態で停止していたなどの場合には、装置の外に検体を取り出し「戻し処理」を行い、再度通常の処理プログラムで処理を行う必要があります。
3.「戻し処理」の方法
・バスケットを装置から取り出し、別の容器などにバスケットを入れ、マニュアルで処理を行います。
薬液にバスケットを浸し、攪拌などを行いながら浸透を助けてください。
○アルコール系列で処理が停止していた場合
処理が停止していた槽から、系列を逆にさかのぼる形で、第1槽まで戻します。
例)第1槽:70%エタノール 60分
第2槽:80%エタノール 60分
第3槽:90%エタノール 60分
第4槽:95%エタノール 60分
・上記のプログラムを使用中、第4槽で装置が停止していたとします。
戻し処理は、90%エタノール60分→80%エタノール60分→70%エタノール60分の順に薬液を浸透し、再度新たに第1槽から密閉式自動固定包埋装置に検体をセットしなおし、通常の処理プログラムで処理を行います。
○キシレン系列で処理が停止していた場合
基本的には、上記アルコール系列と方法は同様です。
アルコール系列の6槽の処理は、3~4槽各1時間の処理で代える事ができます。
■計画停電に対する対応について
あらかじめ停電が計画される場合には、出来るだけ密閉式自動固定包埋装置の使用は避けていただくようお願いします。
どうしても処理が必要な場合には、遅延タイマーを用いて、1槽目の処理が停電終了後に開始されるように設定方法で対応できることもあります。
遅延タイマーの設定方法については、下記の取扱操作説明書をご覧ください。
*下記の取扱操作説明書をご覧いただく際には、装置の製番プレートに記載されております型式をご確認の上ご利用ください。