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VIP6/VIP6AI 検体処理中に発⽣した停電の対策について

停電発⽣時の動作(※UPSもしくは⾮常電源がない場合)
VIP6及びVIP6AIでは、停電などにより電源供給が停⽌した時点で装置の稼動も停⽌します。その後、電源が復旧しシステムが再起動できれば、停電前に⾏っていた処理を再開しますが、停電により装置が停⽌した場合には、検体処理に影響を与えるリスクも発⽣します。以下に、停電により装置が停⽌した場合のリスクとその対処⽅法を明記致します。

停電により装置が停⽌した場合のリスク
1. レトルト内の状態が不明(加圧状態や真空状態)のまま停⽌する恐れがある。
2. レトルトに薬液が無い状態で装置が停⽌する恐れがある。
3. パラフィンを給液中の場合、配管や関連する部品にパラフィンが固化し、レトルト内 が真空状態のままとなり、ロックを解除しても蓋が開かない恐れがある。
4. 停電前のデータが読み込めず、検体処理⼯程の再開が不可能となる恐れがある。
5. パラフィン槽の温度低下により、⻑時間パラフィン溶融待ちとなる恐れがある。
6. 停電発⽣時にレトルトが空の状態で装置が停⽌した際、適切な対処ができなかった場合、 検体の診断に悪影響を及ぼす恐れがある。

リスク発⽣時の対応⽅法
停電発⽣時に起こりえるリスクが発⽣した場合、検体に悪影響を及ぼす危険性がありますので以下の内容に従い対処をお願い致します。

1. レトルト内の状態が不明(加圧状態や真空状態)のまま停⽌した場合
検体処理⼯程の途中で停電が発⽣すると、液晶画⾯が消えて、レトルト蓋のロックレバーが ロックされた状態になっています。レトルト蓋の右横にあるロックレバー解除⼝にマイナスドライバーを縦向きで⼊れ、ロックレバーの溝にマイナスドライバーを差し込みながら⼿前にレバーを 引き、ロックを解除して下さい。ロックを解除した後はゆっくりとレバーを回してください。(※レトルト内が加圧状態で停⽌した場合は、ロックを急に解放すると蓋が跳ね上がる危険性があります。レバーロックを開放する際は、必ずゆっくりレバーを回してください。) 蓋を開けてレトルトの液量を確認し、検体保護に⼗分でない場合は、適切な薬液で検体を保護してください。

2. レトルトに薬液が無い状態で装置が停⽌した場合
1項の⼿順に従い蓋を開けて検体を取り出し、適切な薬液で検体を保護して下さい。

3. ロックを解除しても蓋が開かない場合
ロックを解除しても蓋が開かない場合は、部品故障や配管等の詰まりにより、レトルト内が真空 状態となっています。給液時に停電が発⽣した場合は、レトルトと薬液槽が通じている状態となりますので、薬液ボトルの蓋を緩めることにより、真空状態を解除することが可能です。 尚、PVサイクル時に停電となった場合には、薬液ボトルの蓋を緩めても真空状態が解除できませんので、マイナスドライバーなどによりレトルトパッキンに隙間を作り、レトルト内を⼤気圧に戻してから蓋を開けてください。蓋を開けてレトルトの液量を確認し、検体保護に⼗分でない場合は、 検体を取り出し、適切な薬液で検体を保護してください。

4. 停電前のデータが読み込めず、処理が再開不可となる場合
停電が復帰した後、装置が停電前のデータを読み込めず、処理再開が出来なかった場合、装置は薬液槽より液を給液して検体を保護した状態で、メイン画⾯に戻します。蓋を開け、検体を取り出して、適切な薬液で検体を保護してから、「保守」メニューの「マニュアル操作」により、 レトルト内の薬液を排液してください。その後、停電時に停⽌した槽からプログラムを組み直し、処理を再開して下さい。

5. パラフィン槽の温度低下により、⻑時間パラフィン溶融待ちとなった場合停電時にはパラフィンの温度が低下してきますので、パラフィン槽の温度低下の状況により、パラフィンの溶融を待ってから処理を再開します。この場合、温度低下の状況によっては、最⼤24 時間溶融待機をしてから処理が再開されるケースも発⽣します。その結果、診断に遅れが発⽣す る恐れがあります。また、パラフィン処理中に停電が発⽣した場合には、レトルト内にパラフィンが固化し、パラフィンが溶融するまで検体を取り出せない危険性もあります。(表1参照)

6. 停電発⽣時にレトルトが空の状態で装置が停⽌した際、適切な対処ができない場合
深夜や休⽇などに不具合が発⽣する、もしくは⼤規模な停電が発⽣した場合には、⼈⼿が無く、検体を保護する対応が遅れるなど適切な対処ができない場合があります。この場合、今のところ最善の対処⽅法がございませんので、レトルトが空の状態で停⽌していた場合は、検体の仕上がりに影響を及ぼす可能性があります。このような危険を回避する為には、停電中もUPSと⾮常電源の併⽤により装置を稼働させて頂く事が最良の検体保護対策となります。

① VIP6及びVIP6AIにUPSを接続した場合の動作と有効性
VIP6及びVIP6AIにUPSを接続した場合は、停電発⽣後瞬時にUPSに切り換り停電を感知しないで、 UPSのバッテリ容量が10%以下に低下するまで処理は継続します。バッテリ容量が10%以下になる 時間は、およそ⼩容量タイプで27分〜⼤容量タイプで5.4時間です。バッテリ容量が10%以下になっても電源が復帰しない場合、レトルトに薬液が満たされている状態で安全に処理を停⽌できるところまで進めた後、処理を停⽌して電源が復帰するのを待機しますので検体不良の危険性を⼤幅に軽減することが出来ます。

② VIP6及びVIP6AIを⾮常電源に接続した場合の動作と有効性
VIP6及びVIP6AIを⾮常電源に接続した場合は、停電発⽣後⾮常電源に切り換るまで数分間通電がストップします。⾮常電源が通電後の電源供給可能時間(10時間以上)は検体処理を継続することが出来ます。但し、⾮常電源の燃料が切れて通電がストップした場合は、レトルト内の薬液有無に関わらずに装置が停⽌してしまいますので薬液が無い状態で停⽌した場合は検体の仕上がりに影響を及ぼす危険性があります。

VIP6及びVIP6AIで上記6項⽬のリスク回避と何よりも検体をより安全に保護する為には、まずはレトルト内に薬液が満たされている状態で安全に停⽌するUPS接続を⾏い、さらに⻑時間の通電状態を保持出来て検体保護の対応が可能となる⾮常電源との併⽤をお勧め致します。

本件に関するお問い合わせは、下記へお願いいたします。

サクラファインテックジャパン株式会社

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