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―8月3日に東京・如水会館にて授賞式を開催―

第11回「サクラ病理技術賞」 受賞者が決定
―8月3日に東京・如水会館にて授賞式を開催―

病理検査機器・器材のトータルサプライヤー、サクラファインテックジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長兼CEO:石塚悟)が、病理学的検査・技術に優れた貢献をした方々に毎年贈る「サクラ病理技術賞」の第11回受賞者が決定しましたのでお知らせいたします。

第11回サクラ病理技術賞(所属は選考時のもの)

奨励賞
受賞者:梅澤 敬(うめざわ たかし) 氏
東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 病院病理部

受賞者:関 絵里香(せき えりか)氏
東京都医学総合研究所 神経病理解析室

新人賞
受賞者:吉田 美帆(よしだ みほ)氏
呉医療センター・中国がんセンター 病理診断科 ※

松本賞
受賞者:小松 京子(こまつ きょうこ)氏
がん研究会 がん研有明病院 臨床病理センター

・次ページ以降に受賞理由等を記載しております。
・「技術賞」は今回、該当者なしとなりました。

※現在の所属は、神戸大学医学部附属病院 病理部・病理診断科

がんの罹患率はいまも上昇を続けており、日本における死因順位でも1位を占め続けています。一方で、オーダーメイド医療や分子標的薬治療など医療技術が進展するなか、がんの治療方針を決定するための病理診断の役割はますます重要になってきています。そして、正確な病理診断には質の高い病理標本が必要とされ、その実現には、自動化や迅速化などの機器や試薬の進歩ばかりでなく、人から人へと伝えられ磨かれる技術もまた重要な要素となります。

「サクラ病理技術賞」は、病理学的検査・技術に関する様々な活動を支援するため、病理技術者やその団体、研究者を対象として、学術研究のみならず地域活動や後進育成など幅広い活動の中から特に優れた成果を挙げられた方々を表彰する制度として2008年に創設したものです。

選考は医師、技師、学識経験者など病理診断分野の第一人者数名によって構成される第三者機関(選考委員会)に委嘱されており、公正な選考の結果、このたび第11回の受賞者を決定いたしました。

第11回授賞式は、2019年8月3日(土)、東京・如水会館(千代田区一ツ橋2-1-1、入場無料)にて開催されます。受賞者には、オーナメントと副賞賞金が授与され、授賞式当日は受賞者による記念プレゼンテーションが行われるほか、特別講演が予定されています。

なお、授賞式の詳細につきましては、サクラファインテックジャパン株式会社のWebサイト(https://www.sakura-finetek.com)でもお知らせする予定です。

【各賞の受賞理由】

■奨励賞
全国、地方に関わらず地域医療や学生教育、技師の卒後教育への貢献など、論文数や論文内容による評価が難しい分野での貢献に対して授与

受賞者:梅澤 敬(うめざわ たかし) 氏
東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 病院病理部
【受賞理由】
液状化細胞診システムを用いた細胞診検査の標準化と技術の確立、臨床研究への応用と論文報告、および各都道府県における標本実習・講演活動など
婦人科および非婦人科領域の細胞診断学においてLBC処理システムの有用性に着目し、LBCを用いた細胞診検査の標準化と技術の確立、臨床研究への応用と客観的視点に基づいた論文発表を継続。そして得られた実証データを解析し広く発信している。また、臨床研究の実践的指導、論文指導、診断精度の向上と標準化に寄与し、LBCに関する講義や標本実習を通じてLBCの普及にかかわっている。

受賞者:関 絵里香(せき えりか)氏
東京都医学総合研究所 神経病理解析室
【受賞理由】
中枢神経系の標本作製技術の標準化
神経病理領域における標本作製技術の標準化を目指し、個々の手技を実践的でわかりやすく体系化し、それを文書および画像としてとりまとめ、また必要に応じて定量化した。こうして体系化された知識や技術を発信するための環境整備としてウェブサイトの立ち上げや講演活動をおこなっている。さらに知識や技術の共有の場として神経標本技術フォーラムを企画、第58回日本神経病理学会で採択、開催されるなど、その行動力は評価に値する。

■新人賞
技術賞および奨励賞に準ずる研究や活動をおこなっている若手技師で、特に今後の活躍が期待できる人に対して授与

受賞者:吉田 美帆(よしだ みほ)氏
呉医療センター・中国がんセンター 病理診断科 ※
【受賞理由】
免疫組織化学染色のデジタル画像のAI画像解析技術による病理診断への活用と精度管理および病理検査の自動化の推進
乳癌免疫組織化学染色の解析における自動解析ソフトの活用および日常業務への応用、組織脱脂技術の確立など、精度管理と自動化への貢献は評価に値する。またコンパニオン診断への取り組みとしてのPD-L1の研究では将来的な発展性が感じられる。さらに2014年には広島県臨床検査技師会病理細胞部門での技術講習会「技」を企画、第2回からは部門長として運営するなど、その積極的な活動は今後も大いに期待できる。

※現在の所属は、神戸大学医学部附属病院 病理部・病理診断科

■松本賞
特に本賞としての公募は行わないが、技術賞および奨励賞に該当するものの中で、特に画期的で、これからの新たな方向性を示すと考えられる研究や活動を表彰する

受賞者:小松 京子(こまつ きょうこ)氏
がん研究会 がん研有明病院 臨床病理センター
【受賞理由】
病理細胞診領域における分子生物学的手法の応用に関する継続的な検討と、グローバルな教育活動
一貫して病理検査の現場で日常業務にかかわり、新しい分野の研究活動に注力、積極的に学会発表を行っている。論文活動も顕著で脳腫瘍病理学会での英文論文が学会賞を受賞するなど、数多くの業績を上げている。また病理技術研究会理事長として外部精度管理評価の仕組みづくりや関連学会の認定単位取得、研修会の企画運営など教育活動にも多大に貢献している。さらに語学力を生かした国際学会での活動や途上国支援など、幅広い活動は高く評価できる。

「サクラ病理技術賞」創設の趣旨と概要:
サクラ病理技術賞は、病理学的検査・技術に関するさまざまな活動を支援するサクラファインテックジャパン株式会社が創設した独自の褒賞制度です。
病理学的検査・技術に携わる人々の意欲向上を図り、病理技術の発展と伝承に寄与することを目的としています。
病理標本作製技術に関する研究論文はもちろんのこと、日常業務での技術・知識の向上、後進技師の指導育成(伝承)、地域医療への顕著な貢献というような活動も対象とし、より広い視野を持ったユニークな賞となっています。
病理診断の認知の高まりとともに、臨床や患者のニーズも高くなりつつある今日、病理標本作製の発展的な未来に向けて挑戦を続けるサクラファインテックジャパン株式会社は、この賞を通じて病理技術に携わる方々への長期的な支援・貢献を続けたいと考えております。

選考の対象者:
病理学的検査に携わる臨床衛生検査技師およびその所属団体、研究者

選考の対象:
・関連学会・学術誌等に発表された論文
・論文以外の活動: 日頃の研究/後進技師の育成、地域医療への顕著な貢献 等

選考方法:
非公開を原則に第三者機関に選考委員の選出と選考委員会の組織化(技師、医師、学識経験者など)を委嘱しています。
自薦による公募制度により候補者を募り、選考委員による一次選考(書類審査)を経て、二次選考の討議により受賞者が決定されます。