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―病理技術の発展と伝承に貢献する2名が受賞―

第12回「サクラ病理技術賞」 受賞者が決定
―病理技術の発展と伝承に貢献する2名が受賞―

病理検査機器・器材のトータルサプライヤー、サクラファインテックジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長兼CEO:石塚悟)が創設した、病理学的検査・技術に優れた貢献をした方々に毎年贈られる「サクラ病理技術賞」の第12回受賞者が決定しましたのでお知らせいたします。


第12回サクラ病理技術賞

羽賀 千恵(はが ちえ) 氏
横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 検査部

松本 慎二(まつもと しんじ) 氏
福岡大学病院 病理部・病理診断科 

・次ページ以降に受賞理由等を記載しております。
・「奨励賞」「新人賞」「松本賞」は今回、該当者なしとなりました。

がんの患者数は増加の一途をたどっており、日本における死因順位でも1位を占め続けています。一方で、オーダーメイド医療や分子標的薬治療など医療技術が進展するなか、がんの治療方針を決定するための病理診断の役割はますます重要になってきています。そして、正確な病理診断には質の高い病理標本が必要とされ、その実現には、自動化や迅速化などの機器や試薬の進歩ばかりでなく、人から人へと伝えられ磨かれる技術もまた重要な要素となります。

「サクラ病理技術賞」は、病理学的検査・技術に関する様々な活動を支援するため、病理技術者やその団体、研究者を対象として、学術研究のみならず地域活動や後進育成など幅広い活動の中から特に優れた成果を挙げられた方々を表彰する制度として2008年に創設したものです。

選考は医師、技師、学識経験者など病理診断分野の第一人者数名によって構成される第三者機関(選考委員会)に委嘱されており、公正な選考の結果、このたび第12回の受賞者を決定いたしました。

【受賞理由】

■サクラ病理技術賞
染色全般、細胞診断法などに関わる諸技術の開発・改良など、病理技術の進歩に著しく貢献した人やグループに対して授与

羽賀 千恵(はが ちえ) 氏
横浜市立脳卒中・神経脊椎センター 検査部

「老人班」と「神経原繊維変化」の新しい染色法
長年に渡り剖検脳組織標本の作製に取り組み、メセナミン銀染色法の開発やガリアス染色法の改良による普及などを通じて、脳病理診断の精度向上や病態解析研究の加速に貢献した。また近年は画像病理相関について院内外との共同研究にも参画するなど、精力的で継続された活動は高く評価できる。それらに加え、これまでに得られた標本作製技術や膨大なノウハウなどを次世代へ継承すべく、若手技術者への指導にも取り組んでいる。

松本 慎二(まつもと しんじ)氏
福岡大学病院 病理部・病理診断科

FISH法および免疫組織化学における悪性中皮腫を中心とした診断技術の確立・診断精度向上の研究と全国への普及活動、および後進技師の指導育成と学生教育
体腔液細胞診における塗抹標本ならびにセルブロック標本を用いたFISH法についての検討を重ね、標準的手法を確立、中皮腫診断におけるFISH法ならびに免疫組織化学の必要性を率先して報告してきた。これらの継続、蓄積された研究成果を日本臨床細胞学会など多くの細胞診関連学会を通じて全国へ発信、また実技指導を行うとともに、理事・委員として学会運営にも積極的に取り組んでいる。さらに福岡県を中心とした後進技師への指導や学生教育にも注力するなど、社会的貢献度も高く評価できる。

授賞式の開催について:
第12回サクラ病理技術賞「授賞式および受賞記念特別講演会」は、東京オリンピックの開催が予定されていたこともあり、昨秋より大阪での8月開催を目指して準備を進めておりましたが、新型コロナウイルス感染の動向などに鑑み、現在、開催時期・方法等を再検討しております。決定次第、以下の方法でお知らせいたします。

・サクラファインテックジャパン株式会社 Webサイト(https://www.sakura-finetek.com)
・Webサイト会員向けメールマガジン「ラボシャトル」

「サクラ病理技術賞」創設の趣旨と概要:
サクラ病理技術賞は、病理学的検査・技術に関するさまざまな活動を支援するサクラファインテックジャパン株式会社が創設した独自の褒賞制度です。病理学的検査・技術に携わる人々の意欲向上を図り、病理技術の発展と伝承に寄与することを目的としています。病理標本作製技術に関する研究論文はもちろんのこと、日常業務での技術・知識の向上、後進技師の指導育成(伝承)、地域医療への顕著な貢献というような活動も対象とし、より広い視野を持ったユニークな賞となっています。
病理診断の認知の高まりとともに、臨床や患者のニーズも高くなりつつある今日、病理標本作製の発展的な未来に向けて挑戦を続けるサクラファインテックジャパン株式会社は、この賞を通じて病理技術に携わる方々への長期的な支援・貢献を続けたいと考えております。

選考の対象者:
病理学的検査、研究に携わる技術者ならびに研究者およびその団体

選考の対象:
・関連学会・学術誌等に発表された論文
・論文以外の活動: 日頃の研究/後進技師の育成、地域医療への顕著な貢献 等

選考方法:
非公開を原則に第三者機関に選考委員の選出と選考委員会の組織化(技師、医師、学識経験者など)を委嘱しています。自薦による公募制度により候補者を募り、選考委員による一次選考(書類審査)を経て、二次選考の討議により受賞者が決定されます。