お知らせ
第13回「サクラ病理技術賞」 受賞者が決定
―病理技術の発展と伝承に貢献する1名が受賞―
病理検査機器・器材のトータルサプライヤー、サクラファインテックジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長兼CEO:石塚悟)が創設し、病理学的検査・技術に優れた貢献をした方々に毎年贈る「サクラ病理技術賞」の第13回受賞者が決定しましたのでお知らせいたします。
第13回サクラ病理技術賞
奨励賞
青木 裕志(あおき ゆうじ) 氏
順天堂大学医学部附属練馬病院 病理診断科
・次ページ以降に受賞理由等を記載しております。
・「技術賞」「新人賞」「松本賞」は今回、該当者なしとなりました。
がんの患者数は増加の一途をたどっており、日本における死因順位でも1位を占め続けています。一方で、オーダーメイド医療や分子標的薬治療など医療技術が進展するなか、がんの治療方針を決定するための病理診断の役割はますます重要になってきています。正確な病理診断には質の高い病理標本が必要とされ、その実現には、自動化や迅速化などの機器や試薬の進歩ばかりでなく、人から人へと伝えられ磨かれる技術もまた重要な要素となります。
「サクラ病理技術賞」は、病理学的検査・技術に関する様々な活動を支援するため、病理技術者やその団体、研究者を対象として、学術研究のみならず地域活動や後進育成など幅広い活動の中から特に優れた成果を挙げられた方々を表彰する制度として2008年に創設されたものです。
選考は医師、技師、学識経験者など病理診断分野の第一人者数名によって構成される第三者機関(選考委員会)に委嘱されており、公正な選考の結果、このたび第13回の受賞者を決定したものです。
【受賞理由】
■奨励賞
全国、地方に関わらず地域医療や学生教育、技師の卒後教育への貢献など、論文数や論文内容による評価が難しい分野での貢献に対して授与
青木 裕志(あおき ゆうじ) 氏
順天堂大学医学部附属練馬病院 病理診断科
病理細胞診検査における標本品質の追求と技術の検討、ならびに講演、実技指導による全国への普及と後進育成
病理検査および細胞診検査全般における質の高い標本作製のため、深い探究心をもって技術の理論的な検証をおこない、科学的な見解から手技を確立、その重要なポイントを全国での講演や実技指導を通じて広く普及に努めるとともに、診断精度向上に有用であることを率先して示してきた。また、国内外の学会発表や論文投稿、学術誌の執筆などに積極的に取り組み、特に検査技術に関する教本執筆活動は目を見張るものがある。一方で、日本臨床細胞学会、日本臨床検査同学院、病理技術研究会など関連学会での技術講習会や、精度管理事業、染色コンペなどでは常に中心的役割を果たし、技術と品質の向上ならびに後進育成への貢献は高く評価できる。これらの探求心と研究に対する姿勢は後進技師の目標となり、今後の活躍が期待できる人物である。
授賞式の開催について:
第13回サクラ病理技術賞「授賞式および受賞記念特別講演会」は、新型コロナウイルスの感染状況に鑑み、オンラインによる開催を予定しております(2021年夏期を予定)。今後の動向などを注視し、
開催方法を決定いたします。決定次第、以下の方法でお知らせいたします。
・サクラファインテックジャパン株式会社 Webサイト掲載(https://www.sakura-finetek.com)
・Webサイト会員向けメールマガジン「ラボシャトル」配信
「サクラ病理技術賞」創設の趣旨と概要:
サクラ病理技術賞は、病理学的検査・技術に関するさまざまな活動を支援するサクラファインテックジャパン株式会社が創設した独自の褒賞制度です。病理学的検査・技術に携わる人々の意欲向上を図り、病理技術の発展と伝承に寄与することを目的としています。病理標本作製技術に関する研究論文はもちろんのこと、日常業務での技術・知識の向上、後進技師の指導育成(伝承)、地域医療への顕著な貢献というような活動も対象とし、より広い視野を持ったユニークな賞となっています。
病理診断の認知の高まりとともに、臨床や患者のニーズも高くなりつつある今日、病理標本作製の発展的な未来に向けて挑戦を続けるサクラファインテックジャパン株式会社は、この賞を通じて病理技術に携わる方々への長期的な支援・貢献を続けたいと考えております。
選考の対象者:
病理学的検査、研究に携わる技術者ならびに研究者およびその団体
選考の対象:
・関連学会・学術誌等に発表された論文
・論文以外の活動: 日頃の研究/後進技師の育成、地域医療への顕著な貢献 等
選考方法:
非公開を原則に第三者機関に選考委員の選出と選考委員会の組織化(技師、医師、学識経験者など)を委嘱しています。自薦による公募制度により候補者を募り、選考委員による一次選考(書類審査)を経て、二次選考の討議により受賞者が決定されます。