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第14回「サクラ病理技術賞」受賞者が決定

―サクラ病理技術賞2名、新人賞1名が受賞―

2022/04/26

 病理検査機器・器材のトータルサプライヤー、サクラファインテックジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長兼CEO:石塚悟)が創設し、病理学的検査・技術に優れた貢献をした方々に毎年贈られる「サクラ病理技術賞」の第14回受賞者が決定しましたのでお知らせいたします。
 
第14回サクラ病理技術賞
 
サクラ病理技術賞
雨宮 健司 (あめみや けんじ) 氏
山梨県立中央病院 ゲノム解析センター
 
木下 勇一(きのした ゆういち) 氏
和歌山県立医科大学附属病院 中央検査部 病理診断部門
 
新人賞
髙鳥 光徳(たかとり みつよし) 氏
琉球大学大学院医学研究科 細胞病理学講座
 
・次ページ以降に受賞理由等を記載しております。
・「奨励賞」「松本賞」は今回、該当者なしとなりました。

 
 医療が目まぐるしい進化を遂げていく中、がんの最終診断を担う病理診断はますます重要性を増し、病理検査業務全般に対して様々な要件が求められています。正確な病理診断には質の高い病理標本が必要とされ、その実現には、自動化や迅速化などの機器や試薬の進歩ばかりでなく、人から人へと伝えられ磨かれる技術もまた重要な要素となります。
 
 「サクラ病理技術賞」は、病理学的検査・技術に関する様々な活動を支援するため、病理技術者や  その団体、研究者を対象として、学術研究のみならず地域活動や後進育成など幅広い活動の中から特に優れた成果を挙げられた方々を表彰する制度として2008年に創設されたものです。
 
 選考は医師、技師、学識経験者など病理診断分野の第一人者数名によって構成される第三者機関(選考委員会)に委嘱されており、公正な選考の結果、このたび第14回の受賞者を決定いたしました。
 
 
各賞の説明および受賞理由:
 
■サクラ病理技術賞
染色全般や細胞診断法などの標本作製技術の開発・改良、コンパニオン診断やゲノム医療、デジタルパソロジーなどに代表される先進的医療、病理診断を補完する標準化や精度管理、安全管理の推進、またAI、コンピュータシステム等の新しい技術導入への画期的な取り組みなど、病理検査室業務全般における進歩・発展への著しい貢献に対して授与
 
雨宮 健司(あめみや けんじ) 氏
山梨県立中央病院 ゲノム解析センター

 
【受賞理由】
細胞診検体を用いたがん遺伝子パネル検査法の確立と臨床応用、がんゲノム医療時代におけるFFPE検体精度管理への取り組み

次世代シークエンサー(NGS)による網羅的遺伝子解析においてFFPE(ホルマリン固定パラフィン包埋)検体の検体精度管理に着目、多くの知見を積み重ね、FFPE検体の品質管理法を確立した。全国各地での講演活動によって、がん遺伝子パネル検査における精度管理の重要性の啓発に努めてきた。また、組織検体を採取できない患者に対しての細胞診検体を用いた新たな検査法の検証やNGSを用いた融合遺伝子探索など、臨床への貢献も顕著である。雨宮氏は2017年度(第10回)サクラ病理技術賞新人賞を受賞しているが、その後も研究活動を継続、発展させ、積極的に論文として発表するなどアウトプットも秀逸であり、特に英論文での発表は世界に向けた発信として高く評価できる。学会・研究会活動にも積極的に参画しており、将来の研究目標および論文執筆活動も明確になっているなど、さらなる活躍が期待できる。
 
木下 勇一(きのした ゆういち) 氏
和歌山県立医科大学附属病院 中央検査部 病理診断部門

 
【受賞理由】
基礎医学的および臨床医学的に有用な病理診断技術の開発

日常業務での課題解決をきっかけとして独自のアプローチで病理技術の開発、研究に取り組み、英文誌を含めた数多くの論文にてその成果を国内外に発信している。特に眼科領域における細胞診の診断基準の確立、液状化細胞診検体を用いた染色法の開発、細胞診検体を用いた多重染色など、診断分野への貢献は高く評価できる。また学会活動にも積極的に参画し、国内外での発表やワークショップでの講演活動を精力的に行うことにより技術の伝承・発展に寄与するとともに、評議員や役員として関連団体の運営にも携わるなど幅広く活動している。和歌山県を中心とした後進指導にも熱心であり、これらの真摯な取り組みから後進技師の目標となる人物である。
 
■新人賞
サクラ病理技術賞および奨励賞に準ずる研究や活動をおこなっている若手技師で、特に今後の活躍が期待できる方に対して授与

 
髙鳥 光徳(たかとり みつよし) 氏
琉球大学大学院医学研究科 細胞病理学講座

 
【受賞理由】
悪性リンパ腫における病理組織検体を用いた新規診断技術の開発

悪性リンパ腫の一種である成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)の病理診断において、日常診断で使用されるFFPE検体で実施可能な診断法や検査法の開発に取り組んでいる。ATLLの診断補助となる検査に携わってきた経験から着想を得て、新規診断法の開発に注力し、ウイルス感染の可視化やこれまでの診断法に代わる新規診断アルゴリズムを確立した。これらの研究成果をまとめた論文はModern Pathologyに採用されており、日常診断で活用されている。さらにその成果から新たな知見を得て、微量検体に適したクローナリティ検査法の確立に着手、この研究計画が黒住医学研究振興財団研究助成金に採択されるなど、今後の成果が大いに期待できる。
 
 
授賞式の開催について:
第14回サクラ病理技術賞「授賞式および受賞記念特別講演会」は、新型コロナウイルスの感染状況に鑑み、受賞者のメッセージおよびプレゼンテーションを収録し、動画をWebサイトで公開予定です(2022年秋予定)。決定次第、以下の方法でお知らせいたします。
 
・サクラファインテックジャパン株式会社 Webサイト(https://www.sakura-finetek.com
・Webサイト会員向けメールマガジン「ラボシャトル」
 
 
「サクラ病理技術賞」創設の趣旨と概要:
サクラ病理技術賞は、病理学的検査・技術に関するさまざまな活動を支援するサクラファインテックジャパン株式会社が創設した独自の褒賞制度です。病理学的検査・技術に携わる人々の意欲向上を図り、病理技術の発展と伝承に寄与することを目的としています。病理標本作製技術に関する研究論文はもちろんのこと、日常業務での技術・知識の向上、後進技師の指導育成(伝承)、地域医療への顕著な貢献というような活動も対象とし、より広い視野を持ったユニークな賞となっています。前年度の第13回より表彰対象を拡大し、ゲノム医療に代表される先進的治療や標準化による安全管理、AIなどの新しい技術導入についての成果や功績も対象としております。
病理診断の認知の高まりとともに、臨床や患者のニーズも高くなりつつある今日、病理標本作製の発展的な未来に向けて挑戦を続けるサクラファインテックジャパン株式会社は、この賞を通じて病理技術に携わる方々への長期的な支援・貢献を続けたいと考えております。
 
選考の対象者:
病理学的検査、研究に携わる技術者ならびに研究者およびその団体
 
選考の対象:
・関連学会・学術誌等に発表された論文
・論文以外の活動: 日頃の研究/後進技師の育成
地域医療への顕著な貢献 等
 
選考方法:
非公開を原則に第三者機関に選考委員の選出と選考委員会の組織化(技師、医師、学識経験者など)を委嘱しています。自薦による公募制度により候補者を募り、選考委員による一次選考(書類審査)を経て、二次選考の討議により受賞者が決定されます。